野菜がぐんぐん育つ良い土ってどんな土なんだろう?
と、この1年ほどいろいろな本を読んだり、調べたり
農学博士の”西村和雄先生”の講座を受けたりとしてきました。
団粒構造の土と単粒構造の土
そんな中から、
「こんな土を目指せば良いのか」と学んだことを
自分なりにまとめてみたいと思います。

良い土の5つの条件

良い土とは『肥沃な土』のこと。
でも、具体的にどんな土だろう?
肥沃って肥料がいっぱい入った土のこと?
とも思いましたが、違います。
単に肥えているだけではないんです。

  1. 水はけが良くて水もちが良い土
  2. 黒っぽくてフカフカしていて、森の中の土のような匂いがする土
  3. 有機物がたくさん含んでいる土
  4. 病害虫が少ない土
  5. 弱酸性の土

この5つの条件は全て繋がっていて
これらがバランス良く備わっている土が肥沃で良い土になるんです。

1:水はけが良くて水もちが良い土

「水はけが良くて、水もちが良い」って、相反することを言ってて、
どうゆうこと?と思ってしまいますが、
そんな土のことを『団粒構造の土』と言うのだそうです。

団粒構造の土とは、土の小さな粒が微生物のフンや粘液、
分解された有機物などと一緒に互いにくっつきあってできた
団子状の土のこと。
この団子状の土のことを団粒と言うそうで、
この塊には細い隙間だらけでできているので、
雨が降って水が染み込んでその隙間に水を溜め込むんです!

だけど、この団粒化した外側は普通の隙間なので、
水は下へと流れていき、水がたまることはありません。

つまり、団粒の中の細い隙間に水を溜め込み、
団粒と団粒の間の隙間の水は流れる
ので、
「水はけが良くて、水もちが良い土」になるんです^^
団粒構造の土と単粒構造の土
これに対して、「水はけが悪く、乾燥しやすい土」があります。
その状態を『単粒構造の土』と言うのだそうです。
団粒化されていない土の粒がぎっしり詰まっている状態の土なので、
隙間がなく水はけが悪いのに、小さな隙間がないため保水性もなく
乾きやすいという、野菜が育ちにくい土のことです。

2:黒っぽくてフカフカしていて、森の中の土のような匂いがする土

団粒構造ができている土は、フカフカとしているんです。

土を手のひらで握って、開き、指で土を軽く押すと
ホロホロとくずれれば、それはフカフカな土の証拠
逆に指で押しても崩れない土は粘土質で、水はけの悪い土の証拠。

そして、山の中の森に入ったとき、土特有の匂いを感じたことが
あると思います。
良い土はそんな匂いがするんだそうです。
それはたくさんの微生物や有機物が混ざっている匂いなんだとか。
そんな土は自然に黒っぽい色をしているんだそうです。

3:有機物がたくさん含んでいる土

良い土にするには有機物が欠かせません!
有機物をたくさん含んでいる土にはいろいろな微生物が集まり、
土を団粒化してくれます。

ただ注意したいのは、有機物にも種類があるので、
色々ある堆肥や肥料のことを知ることも大切です。

その辺のことが詳しく書かれていたのはこの本でした。

難しいことを簡単に書いてくれているので、
へ~っと感心することがいっぱい詰まった本でした^^

どういった有機堆肥が早く分解されるのか?なども詳しく書かれているので
有機栽培、自然栽培で野菜を育てたいって方におススメです。

4:病害虫が少ない土

1~3の良い土の条件を満たしていたら、
その土で育てた野菜は病害虫に強い野菜になるんです。

それは色々な微生物がいて、有機物があるので、
それら微生物がとても元気で、悪い病害虫を跳ね除けることが
できる土だからです。
これは生物の生態系ができている証拠。

病害虫を退治して、病害虫のない土にするのではなく、
自然に病害虫のない土にしていくことが大切なんですね。

5:弱酸性の土

美味しい野菜を育てるには酸度も大切。
野菜によって好む三酸度は多少違うようですが、
もっとも野菜が育つ環境は『弱酸性』だと言われています。

日本は温暖で雨が多いので、どうしても土が酸性に傾く傾向が
あるようです。
土が酸性になると、野菜の根の肥料の吸収率が下がってしまい、
成長が悪くなってしまうんです。
なので、畑を始める一番最初の作業は、
酸度を調整してくれる”石灰”を混ぜて耕すことです。

※石灰についてはこちらに詳しく書きました。
石灰、生石灰、消石灰、苦土石灰、有機石灰の違い
石灰をまく理由って?


畑を始めたばかりだと、
野菜の世話や収穫ばかりに目がいって、
大切な土を良くする作業を適当にして流してしまいがちに
なるんだけど、結局やっぱり土づくりが大切なので、
少しづつこれからも知識を増やしていこうと思ってます。